財務諸表の作り方・注意点 個人用

投稿日:2018/05/16

●財務諸表全般に関わる注意事項

  1. 財務諸表の様式
    建設業法施工規則別記様式18号 貸借対照表
    建設業法施工規則別記様式19号 損益計算書
    建設業法施工規則別記様式25号の9 兼業事業売上原価報告書
      (兼業事業売上原価が有る場合)
  2. 勘定科目
    財務諸表は、「建設業法施行規則別記様式第15号及び第16号の
    国土交通大臣の定める勘定科目の分類を定める件」にしたがって
    作成して下さい。
     参考:科目に関する注意事項、間違いやすい科目についても
        ご覧下さい。
  3. 消費税等の会計処理
    消費税および地方消費税に相当する額の会計処理は、
     課税事業者様は、『税抜方式』で作成し、
     その旨 貸借対照表の注に記載して下さい。
     免税事業者様は『税込方式』で作成し、
     貸借対照表の注に「免税事業者につき税込」と記載して下さい。
     または、申請補足表の対象箇所にチェックして、提出して下さい。
      参考:財務諸表を作成する前に/消費税の処理方法をご覧下さい。
  4. 金額の単位と端数処理
    財務諸表の金額単位の表示は、
     千円未満を切り捨て/千円未満を切り上げ/千円未満を四捨五入 の
     いずれかの方法で端数処理した金額を 千円単位で記載して下さい。
    合計金額は、各科目の端数処理後の金額を合計して記載するのでは
    なく、円単位の合計金額を端数処理して記載して下さい。
  5. 財務諸表の金額の一致
    下記項目の金額は必ず一致しなければなりません。
    ・貸借対照表の「資産合計」と「負債純資産合計」
    ・貸借対照表と損益計算書の「事業主利益(事業主損失)」
    ・貸借対照表の「期首資本金」と前期の「純資産合計」
    ・損益計算書の「兼業事業売上原価」と兼業事業売上原価報告書の
     「兼業事業売上原価」(兼業事業売上原価がある場合)
    ・兼業事業売上原価報告書の3行目と最終行の
     「当期製品製造原価」(兼業事業売上原価がある場合)
  6. 受取手形割引高及び受取手形裏書譲渡高
    受取手形割引高および受取手形裏書譲渡高については、
    貸借対照表の注にそれぞれ「○○○千円」(ない場合は「なし」)
    と記載して下さい。
    または、申請補足表にご記入の上、提出して下さい。

●貸借対照表に関する注意事項

  1. 流動資産
    • 完成工事未収入金,売掛金,未収入金
      青色申告決算書の科目名にかかわらず、
      以下の科目で計上して下さい。
       完成工事高に係るもの  :完成工事未収入金
       兼業事業売上高に係るもの:売掛金
       どちらにも該当しないもの:未収入金
    • 未成工事支出金、材料貯蔵品、販売用資産
      仕掛品について
       建設工事に係るもの:未成工事支出金
       兼業事業に係るもの:兼業事業支出金 として計上して下さい。
      原材料、貯蔵品、商品、販売用不動産土地 等について 
       建設工事に係るもの:材料貯蔵品
       兼業事業に係るもの:販売用資産として 計上して下さい。
      ※「たな卸資産」での計上はできません。
    • 短期貸付金
      決算期後1年以内に返済されると認められるものを計上します。
      履行期が決算日の翌日から起算して1年を超えるものは、
      固定資産の その他固定資産に 計上して下さい。
    • 仮払金,立替金,未収入金
      決算期後1年以内に精算または回収されると認められるものを
      計上します。
      精算や回収に1年以上かかる場合は、
      固定資産の その他固定資産に計上して下さい。
    • 保険積立金
      満期日が1年を超えるものは、
      固定資産の その他固定資産に計上して下さい。
    • その他流動資産
      「資産合計」の5%を超える金額は、「その他流動資産」に含めず
      勘定科目を明示して記載して下さい。
    • 貸倒引当金
      青色申告決算書で、
      負債の部に『貸倒引当金』が計上されている場合、
      財務諸表では流動資産の『貸倒引当金』にマイナス計上します。
    • 青色申告決算書の『事業主貸勘定』
      財務諸表では、純資産の部にマイナス計上します。
  2. 固定資産
    • その他固定資産
      長期保証金等1年を超える債権、
      出資金(関係会社に対するものを除く)等を 計上して下さい。
      (長期貸付金、長期の未収入金、仮払金、立替金など)
  3. 流動負債
    • 工事未払金,買掛金,未払金
      青色申告決算書の科目名にかかわらず、以下の科目で計上して
      下さい。
       建設工事に係るもの   :工事未払金
       兼業事業に係るもの   :兼業事業未払金または買掛金
       どちらにも該当しないもの:未払金
    • 短期借入金
      短期借入金は、1年以内に返済されるものおよび当座借越額を
      含みます。
      親族等からの借入で無利息のものであっても借入金となりますので
      短期借入金に含めて計上して下さい。
    • 未成工事受入金
      建設工事に係るもの   :未成工事受入金
      兼業事業に係るもの   :兼業事業受入金
      どちらにも該当しないもの:前受金
    • その他流動負債
      「負債純資産合計」の5%を超える金額は、
      「その他流動負債」に含めず、勘定科目を明示して記載して下さい。
  4. 固定負債
    • 長期借入金
      長期借入金のうち1年以内に返済されるものは短期借入金に含めて
      計上します。
      親族等からの借入で無利息のものであっても借入金となりますので
      長期借入金に含めて計上して下さい。
    • その他固定負債
      「負債純資産合計」の5%を超える金額は、
      「その他固定負債」に含めず、勘定科目を明示して記載して下さい。
  5. 純資産の部
    • 期首資本金
      前期財務諸表の「純資産合計」を計上して下さい。
    • 事業主利益(事業主損失)
      損益計算書の事業主利益(事業主損失)と一致します。

●損益計算書に関する注意事項

  1. 売上高
    • 完成工事高
      建設工事に係る売上高を計上します。
      設計料、リース料、資材売却益等は該当しません。
      雑収入は、「その他営業外収益」に計上します。
    • 兼業事業売上高
      「業」として営んでいない場合の収入は、
      内容に応じて「その他営業外収益」に計上して下さい。
  2. 売上原価
    • 労務費
      工事現場に従事する従業員の給料・手当を計上します。
    • 労務費の中の(うち労務外注費)
      該当しない場合は「0」と記入して下さい。
    • 兼業事業売上原価
      兼業事業売上原価が有る場合は、
      兼業事業売上原価報告書を作成・提出して下さい。
  3. 販売費及び一般管理費
    • 従業員給料手当
      青色申告決算書 損益計算書『専従者給与』はこちらに計上します。
  4. 営業外収益
    • その他営業外収益
      青色申告決算書 2ページ『月別売上(収入)金額及び仕入金額』に
      記載の『雑収入』は、売上には含めず、こちらに計上します。
  5. 営業外費用
    • 支払利息
      青色申告決算書 損益計算書『利子割引料』はこちらに計上します。

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